委員長の挨拶

「Webとともに成長する研究会を目指して」

WI2研究会委員長 高間 康史 (首都大学)

Yasufumi Takama2016年7月より,初代委員長の土方嘉徳先生から委員長を引き継ぎました.前身となる研究会を含めても,委員長の交代は12年間で初めてのことですので,研究会としては大きな節目を迎えたと言えます.

Webに関する研究を専門に議論する場を作ろう,という趣旨のもとに前身の研究会を立ち上げた2004年頃から現在までの間に,Webは大きく変化してきました.ブログ,SNS,Wikipedia,Twitter,動画共有サービス,地理空間情報を利用したサービスなど,新たなサービスやアプリケーションが次々と誕生あるいは普及し,それらが新たな研究対象となって研究会でも活発な議論がなされてきました.また,Webと関連の深い分野の一つである人工知能が第3次ブームを迎えていますが,SVMや深層学習,トピックモデルなど,関連分野で新しい技術が注目されるたびに,それを利用した発表が研究会でも増える傾向にあります.社会および研究分野の最新トレンドが迅速に共有される場として,本研究会は成長してきたと感じています.

一方で,Webはあまりにも当たり前の存在になり,多くの研究分野に共通する普遍的な存在となりました.このため,そもそもSpecial interestについて議論する場である研究会のトピックとしてふさわしいものであるのか,研究会の魅力を何に見出すかも,今後考えていかなくてはならないと感じています.

結論はまだありませんが,今後の展望に関して次のようなことを考えています.
インターネットやWebの基本的な仕組みは昔からそれほど変わらないにもかかわらず,世界中のユーザの創意工夫によって新たな利用方法やサービスが次々と生み出されていくところに,私は魅力を感じています.特に,サービス提供者の思惑を超え,当初想定されていなかった利用方法が産み出され,それが定着していくこともある点が素晴らしいと思います.学生の頃ですが,阪神・淡路大震災の直後,安否確認の情報共有をするためのメディアとして,本来の用途とは異なる目的でネットニュースが迅速に活用されました.その様子を研究室で眺めながらインターネットの底力に感動した経験が,これまでWebインテリジェンスの研究を続けてきた原動力の一つとなっています.これからも,Webの新しい活用方法は同様に生まれてくると思いますが,それをいち早く話題とする様な,好奇心が強く,懐の広い研究会であり続けたいと思います.

また,研究分野としてみた場合のWebの特徴として,基礎的な研究から応用までの距離が近いことが挙げられます.本研究会でも,当初から企業の方が多く参加されています.一方で,大学教員として様々な業種の企業と接してきた感覚として,産業界とアカデミアが長年かけて築いてきた関係のあり方ではかならずしもうまくいかない点が出てきているように感じています.学生を含めた人的交流のあり方,データセットの公開による企業と大学の研究連携など,互いにとって効果的な関係のあり方には改善の余地がまだまだあるように思います.本研究会のスポンサー企業の方々も,アカデミアと産業界の良い関係について積極的に議論してくださっています.単に研究を議論するだけでなく,この様な問題についても建設的に議論していける場でありたいと思います.

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