第14回WI2研究会:ポスター発表特別テーマP2,P3の補足説明

(2019/4/14更新)


(P2) オートマトン・人工生命プログラム上で、または言語の系自体そのものを人工生命的
アルゴリズムまたは構成の一部としてモデルし自然言語処理の機械学習を扱う手法の研究。
このうち、自然or人工言語の2重以上のエージェント群(群知能でもよい)オートメーション
に関するもので、自律機械学習により、行動する作業領域プレーンや、言語の指示対象でもあ
りトレードオフとなる多様な行動と状態遷移の選択的《配分》を自律調整することに関するも
の。動的な言語のふるまい自体を人工生命の一つの層なり、内外の境界の生成するインタラク
ションに存するシステム系として扱うイメージ。(DAYPLA株式会社様設定テーマ)


課題・目的:(現実世界の行動課題と選択的解決における実際解を構成するための意味仮定を、 エージェントユニット間で相互に交渉する状態遷移系としての)ユニバーサル・コミュニケー ション・システム/またはツールを、2重以上のエージェント(またはエージェント群)に より実現する。重要な軸となるコンセプトのひとつに人工生命モデルとしての言語そのものの システム理論 ( https://en.wikipedia.org/wiki/Systems_theory) 的な扱いを考えることがで きる。系(システム)の生成が、その環境との境界を形成・変容・状況適応させ、一定の状態範囲や 遷移スコープでの維持・再生産・展開をするという見方もできる。なお、(さまざまな作用の総合 である社会もそうだが)言語にはシステムやツールとしての面、それらを含む現象や、操作や説明 その他の目的で対象化した現象とのインタフェース・レイヤーとして等、多様な側面があり、そ れらの内外環境としての要素や性質の集合と、系としての機能/functionが、相互に関わる。こ のとき、視座/パースペクティブにより説明の在り方がかわる。 この多様が、視座/視点の移動の仕方に存することにも注意を払い、言語・認知・生命・コミュ ニケーションに関わる諸現象や対象の全体像なり、無理な還元主義に陥らないような柔軟性のある 統一モデルに向けた考察や研究を目指すことができればよいと考える。 ●手段:オートマトン・人工生命プログラム上で、または言語の系自体そのものを人工生命的アル ゴリズムまたは構成の一部としてモデルし自然言語処理の機械学習を扱う手法を用いる。このう ち、自然or人工言語の2重以上のエージェント群(群知能でもよい)オートメーションに関するも ので、自律機械学習により、行動する作業領域プレーンや、トレードオフとなる行動の種類の 《配分》を自律調整するような手段を用いることをテーマとする。動的な言語のふるまい自体を人 工生命の一つの層なり、内外の境界の生成するインタラクションに存するシステム系として扱うイ メージ。(必ずしもハードコードor統計的なセマンティクスを前提としない、またゲームとしての 言語でもよい) ●テーマとする論考・研究は、これを実現する際の以下のようなもの: A) アルゴリズムや数理的その他のモデルや要素技術の提案  ― 下記、「●トレードオフと配分に関する考察要素」や「●その他背景」の項等も参照 B) 可能な技術実装の提案(既存リソース)  ― 低廉なコストで多様な専門・非専門の多くの当事者が参加または利用可能なものを指向、 ソフトウェアリソース面でのOSS/FLOSS、またネットワーク/サーバ/コンピューティングパ ワー面ではパブリックな分散アーキテクチャ )の提案 C) 可能な技術実装の提案(新規リソース)  ― 本テーマに関連した実装を実現するOSSライブラリまたはハードウェア等の構想/実装/ 計画案。下記のような既存ライブラリに連携したり代替するなどして、新規に効果的な機能を 提供するもの。構想だけでもok。  ― TensorFlow、ChainerのようなDNNライブラリ、また、そのうえで統計的NLP学習フィード バックを行うライブラリとして、たとえば(半年ほど前に出たものではプレーンコーパスにおけ る単語間の統計的特徴関係についてより深層での双方向性学習を遂行する※)BERTのようなコン テキストベースの特徴表現を事前学習・トレーニングさせるようなものがある(※— starting from the very bottom of a deep neural network, so it is deeply bidirectional. https://github.com/google-research/bert) また、A-Lifeシミュレーションには多様なプロジェクト (https://en.wikipedia.org/wiki/Artificial_life#Software-based_(%22soft%22), 同#Hardware-based(hard) , 同#Biochemical-based(wet) 等の方面)がある。 ●トレードオフと配分に関する考察要素: ◇下記はトレードオフと配分の考察の例として、まず、Operations Research on Active Daily Life Occupations というの活動フィールドの観点を挙げる。このような生活ハンディキャップの 面を本テーマにおける「行動する作業領域プレーンや、トレードオフとなる行動の種類の《配分》 を自律調整するような手段」の具体的適用対象として選択することもok。なお、トレードオフと配 分の調整は、環境とエージェント、また、内部エージェント群間でのやりとりなり、関係性の水準 を行き来しながら発生し、このような調整・相互伝達機能をここでは(あえて日本語における社会 的な概念を採用せず、英語における一般的な機能に関する表現として)「コミュニケーション」と 表現する。 a.ハンディキャップ生活者のそれ (1.衣/脱衣 食/排 住/起居・移動 といった個体【生存のベースライン】動作作業  2.経済活動・炊事・洗濯・片付け等 といった【生活システム】維持のための日常作業  3.楽しみの追及、 興味の追及 プロフェッションの追及 など、【意志権利実現・自己尊 重】のための作業) b.標準生活者のそれ   (同上:1.生存ベースライン/2.生活システム/3.意志権利実現・自己尊重の3レイ ヤーの作業) c.ハンディキャップ支援者のそれ   (同上:1.生存ベースライン/2.生活システム/3.意志権利実現・自己尊重の3レイ ヤーの作業) この配分がどのようになっており、どのような時間・(必要エネルギー的)経済的 なト レードオフが制約となっているかを(フレーム問題と関係)配分最適のオペレーションとてリ サーチすることに、ひとつの再生産される「知能」型動作なりそれにかかわるコミュニケーショ ンの定義とすることができる。(ただし、ここでは知能の定義は多義的・多元的であってよい こととする) 他方で、日常生活活動におけるルーチンワークへのフォーカスの配分過多によって、自己尊重の 活動レイヤー(基本的人権が成立するレイヤー)の確立・発達が(配分上)優先されないことが 考えられる(管理/運営、社会/組織における制度問題、背景としての資源やエネルギー制約)。 ここに、これら3つの活動レイヤー間のコミュニケーションやディス・コミュニケーションの様 相があり、言語(や言語コンテキストの)インタフェースを通しても(多様な基準により多義的 に)トレードオフや配分課題の適切または不適切な解決なりコミュニケーションが選択・生成さ れる。 ◇同様にトレードオフと配分の考察について、次のような活動フィールドを適用するのもよいだ ろう。 なお、これらにも生活ハンディキャップの状況の項であげたように、1.生存ベースライン/ 2.日常的な生活システム/3.意志実現の3レイヤーに類する実際的解決レベルがあるとみて よいだろう。 Operations Research on Active Daily Life Occupations というの活動フィールドの 観点に続き、または関連して、その他、トレードオフと配分の考察の例として興味深いと思われ るもの: a. ― モノ(や情報)の「片付け」や「モノ探し」に関する「モノ」、「行為者」自身、行為 者の環境における多様なアクター等との探索型コミュニケーション   関連:用途のタギングやデータのファイリング、ナレッジのブックマークやアノテーショ ン。片付けロボット。モノ探しロボット。 b. ― 画像や立体認知の記号言語化(非テキスト言語)と関連し、外界空間認識における、清 掃(埃取り、風呂場など水回り対応、洗車・洗浄)ロボットの乱雑空間・屋内外空間での探索 やターゲット認知、多関節ロボット、掃除ロボットの外界認識コミュニケーション c. ― ゴミ出し(物理的/情報的)に関する同様なコミュニケーション   関連:ゴミ屋敷が発生する生活とのトレードオフのモデルについて状態遷移分析(※地球 自体「ゴミ屋敷」化していると考えると、一部の特徴的な事例は、社会的な現象の氷山の一角 にすぎないのではないか等、よりマクロ的な視点もあり得る) d. ― 買い物ロボット、無人店舗、宅配サービス e. ― カスタマーサービス、コールセンターのエージェント f. ― 翻訳コミュニケーション。これも、元素的なレベルでは、逐語的な対象指示にはじまり、 日常生活システムのレイヤー、選択意志や価値や概念形成のレイヤー(その個体にとっての権 利自由の尊重と主張)にわたる。 g. ― ソフトウェア開発言語との支援的等のコミュニケーション h. ― ゲーム・ルールのコミュニケーション   「A列車で行こう」(※なお、同名のジャズのスタンダードナンバーは「ニューヨーク市 地下鉄A系統」をモチーフとしている) i. ― 勉学・学業プロセス(含、職業学習)のコミュニケーション j. ― 行動・心理的な個体の社会的不成功・社会的疎外・ひきこもり・隠遁など、社会への長 期不参加等(肯定的・否定的に多義的な)のコミュニケーション k. ― 民族・文化・地政学的背景等、社会集団の属性差異の要素が発生に関係する社会的不 成功・社会的疎外・ひきこもり・隠遁・民族浄化・紛争など、社会的利益への長期不参加・参 加排除や参加時の差別等(民族・文化等の信奉者の立場により肯定的・否定的に多義的な)選 択的適切または選択的不適切なコミュニケーション l. ― いじめ、ハラスメント、虐待、犯罪など、組織的または個体的な社会的暴力・圧力とそ れへの退避や対抗のコミュニケーション また、チョムスキーの生得文法(Generative Grammar / Universal Grammar)等に類す る構造を、を初期的にはセマンティクス・フリー(無意味でも機能可能)なものとして、 (疑似や誤解、意図的騙し、ひいては希望的価値期待を含む)コミュニケーションのモデルと 仮定する。 ここにアクター間のコミュニケーションロールモデルの状態遷移が発生し、これを合理的 (都合合理的)な、合目的的性を指向性を持たせ、状態遷移モデリングする。 関連: https://ja.wikipedia.org/wiki/文脈自由文法     https://ja.wikipedia.org/wiki/形式言語の階層     https://ja.wikipedia.org/wiki/確率文脈自由文法 ※なお、本テーマでの「配分」に関し、これは、多層的な認識(認知や学習探索の対象とする) プレーンを、局所的な限定に留めないことで配分を考察しうるという点において、比喩的にも、 また情報空間の数理その他のモデルとしても《多様体》(https://kotobank.jp/word/多様体-94487, https://www.britannica.com/science/manifold)の観点での概念考察の展開も興味深いと考える。 ●その他背景:なんらかの行為目的を持った伝達の手段である言語の環境は多様であり、それ らの環境のさまざまな性質や要素をリソースとして、機能(function)としての言語の系は肉 付けされ、生成される。さらに、言語は、まず、双方性のある伝達ツール(すなわちコミュニ ケーションの機能を持つもの)であり、インタラクションによる調整系が生成されるが、この 伝達ツールとしての面に対する、メタレベルでは、行為/行動モデルのルーチン(再生産)をつ くるという機能がある。そして、ここでは本テーマでの仮説として、このメタレベルの行為 /行動モデルのルーチン(再生産)をつくるfunctionの方が、伝達のfunctionとの系どうしの 影響作用にあたっては、より「強い」系である、と仮定してみる。 その機能は、ある種の「ルールを持つ系=ゲーム(通常2重以上のプレーヤー、1プレー ヤーの場合もルールを軸としたシミュレーションによりプレーヤー自身の時間差を通した鏡像 が第2者として生成されるので2重エージェントと見做せる)」環境上に、行為/行動モデル のルーチン(再生産)をつくることである。(※なお、ここに、選択や選好等の理由により、 配分とトレードオフも結果的に生成される) 他方、Deep Neural Network等の機械学習のプロセスでは、学習・トレーニング済みモデルの 評価段階では学習トレーニング済みモデルへのデータ入力による出力をフィードバックし、モ デルの再トレーニング、またより遡る場合は、学習手法の選択→前処理→モデルのトレーニング といったフィードバックプロセスがある。仮に、この一連プロセスの反復や調整について、こ れを有限状態機械(有限オートマトン)の性質のあるものと見做し、妥当な「ふるまいのモデル」 の選択やそのフィッティングの調整を機械でより自律的に行うことのモデリングができれば興 味深い。本テーマでは、有限状態機械は、評価についてする相互に学習する2重のエージェン トを想定するので、これを(系としてシミュレーションの多様・複雑試行を生成・記録・モデ ル構成することを、系に内包するような)「評価交渉/評価ネゴシエーション」の系と便宜的 に呼ぶこともできる。 ●ウェブ・インタラクションとの関係要素: 環境面・実装要素面で多様なものが考えられるが、たとえば、(ハンディキャップのある人 が)ウェブやネットワーク上のリソースと「会話」するvirtual assistant ― 音声なら、ス マートスピーカー、ビジュアルリソースなら、ビジュアルイメージや記号、テキスト検索なら、 検索語といったものもデータとなる。それらの場面でのトレードオフと配分の(自動・自律的 な)行為実践/コミュニケーションとネットワーク・コネクションを支援・実践する。また、 そのようなヒューマン・コンピューター・インタラクション/インタフェース。
(P3)  新経済学/また経済世界的特異点(基準が適用できない綻び等)に関連するもの。
既存の経済世界を説明するに際して(マネタリーベースでの)経済「成長」を仮にゼロ
(《配分》のゼロサム)としたモデルを当てはめてみる研究。その場合、仮定から逆算
した(情報のウェブ/消費価値や分散モデル/資源への権益での)経済《配分》や非対称
は、どう違うか等を、状態遷移系モデルとして考察するもの。「経済価値」という情報
の拡大的創出の「量(大小)」とは何か、実利的に何を基底にそれは意味づけされるこ
とで「量(大小)」に結果的にダイナミックな記号的機能なり経済意味が存するのか。
(DAYPLA株式会社様設定テーマ)


既成概念では「経済」は人類の活動における生産・消費プロセスを説明・推進する概念であるが、
このモデルから専ら「人類」の為という希望的指定枠を外し、より包括的な自然現象としての経
済スコープ(「価値」情報等の生産・消費処理の数理的/概念的な空間モデルとして等)再考す
る。
背景要素として経済世界の観点からのテクノロジー的シンギュラリティ※に関連させることもok。
(※「テクノロジー的シンギュラリティ」/または「技術的特異点」は未来学由来の幅のあるコ
ンセプトではあるが、本テーマにおいては、価値の創出・消費を駆動する経済エンジンの主要な
構成が「人間」的属性以外の主体または自律生産・消費プロセスに置き換わる事態が発生または
移行するモデルを、テクノロジー的シンギュラリティと便宜的に仮定/定義してみる)

課題・目的: 経済空間/ダイナミズムモデルとして、ここでも数理的な 《 多様体 》らしさ(https://kotobank.jp/word/多様体 -94487 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目 事典,https://www.britannica.com/science/manifold)を前提とした、 「経済」生成モデルの再定義を試みることをテーマとする。関連モデル提案と検証を求めたい。 また、系の(暗に自明な前提とする)「なめらかさ」が破たんする特異点がどこで発生するか、 つまり、ある座標の尺で定義された「経済世界」の系を、仮定する経済対象となりうる宇宙モ デルの中で局所的な限定世界として扱うことは、空間規模の無限の膨張をさせずに、相対的な 大きさが限定された系として定義でき、系の境界を示して扱うことがより適切に可能になるの ではないか。 仮説→もともと可能なエネルギー量資源を1と考えれば、それについての配分変容の経済では ないか。経済のフレームの捉え方の人類的恣意性、「経済成長※」の価値生産=価値消費、物 理ゴミや情報ゴミなど不可逆性の高い乱雑さの排出、はトレードオフであり、合理的成長定義 への価値整理と乱雑さ排出(非価値排出)との間の配分は、その(整頓さ/乱雑さ)の配分ど うしのトータルが、実際には(非恣意的な)、自然現象系としての経済の全体性像ととらえる ことができ、その「成長」には、合理的可逆性困難の度合いの大きい、つまり人類の恣意的な 成長価値の定義に「含ませない」ような、「非成長」(非価値)としての配分が自然系として はあり、これが「成長」(価値)と対となって、系としての状態遷移、系としてのメタボリズ ムが継続する。これが、自然科学上(それ自体も相対的な選択観点なので、それのみに固定す れば恣意性でもあり得るが)の「経済」の再定義とすることも可能である。(※営利経済・非 営利経済・タレンテッド指向のあるギフト経済、オークションや選好メカニズム等の経済等の 別をここでは初期的には問わない) 生産、消費の「量」は直交座標系(デカルト座標系)の空間を前提※とした、小から大に向かう 連続的な系において空間が定義された世界観であり、小と大の関係は固定されている。これに より、時間経過により無限成長を可能とする期待的仮定が織り込まれている。(※ここでは、 ユークリッド空間から計量を取り除き、平行と比率の性質を抽象したアフィン空間(一般的に はベクター空間)から、直交座標系(デカルト座標系)をそこにあてる場合も同様とするものと する) 逆に光の速度を1とすることから逆算される、尺の基準を固定しない時空次元の相対論的な空 間の世界観は、デカルト座標系の空間でのパースペクティブよりも、位相的変容のある空間の パースペクティブ(見方)が可能である。(ただし、それぞれ、視座の性質の持たせ方= パースペクティブなので、それらどうしが矛盾しているとは限らない。) 古典経済学における「量」は、ユークリッド空間/デカルト座標系のそれである。経済活動の 拡大局面・縮小局面と、消費活動のそれとを、(さまざまな基準となる定義フレームを設定し たうえでのマクロ、ミクロ、またはゲームや行動の面で)多くの変数間の多変量を前提とする も、空間設計自体が、古典的な物理の世界観にもとづく。 これは、ひとつのデカルト座標系の空間で、(価となる「値」の大小や、選好の甲乙をどこか で固定することを前提として)数量をプロットすることになる。固定された数量の絶対基準の 秤を前提に、比較が可能となり、また、その期待的「絶対」価値に対して、通貨間変動、株価 や金融商品等、市場価値のボラティリティが発生し、市場競争がここに定まる。 ●ウェブ・インタラクションとの関係要素: ビジネスの世界ではdisruptive innovation(中断/分断的なイノベーション、ポピュラーな 日本語訳:破壊的イノベーション)やdigital disruption(デジタルビジネス界隈でのそれ) は競争肯定的に語られることが多いが、他方で、実際の生活環境はinformational disruptionとでもいうべき、情報ゴミや、手続き中断、インテフェース変容による蓄積され たノウハウの断絶、ネットワーク化されたデジタルデバイスを通した簡易な反復刺激への依存 性といった、情報や認知生活上の環境破壊が、リアルの世界でのプラスチックごみの漂流と並 行して進行している側面もある。このような「情報の」社(やしろ)なり情報認知を折々あたら に社をつくりなおすことで、リフレッシュした環境でリフレッシュしつづけることにより成り 立つ経済は、局所化した消費刺激のある情報価値のpolarization(極性化)を前提とした、あ る種の経済生成・消費現象でもある。ネットワークされた、反復刺激が生成される経済指向を 持つ世界と、極性化しない経済世界とで、実際に構成されうる可能な情報価値の性質や経年形 成にどのような性質の差があるか、インタラクション・シークエンスのインターバルの長さ (短期形成、長期形成)と価値(またはトレードオフされる見えざる価値)との関係性も興味深 い。

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